会議が終わったあと、文字起こしやメモは手元にある。ChatGPTに貼れば、それっぽい要約も出てくる。なのに、上司やチームに送れる議事録にはまだなっていない。
そんな場面で大事なのは、ChatGPTに「議事録を作って」と丸投げすることではありません。先に、何を取り出したい議事録なのかを決めてから渡すことです。
この記事では、ChatGPTで議事録を作るためのプロンプト例と、会議メモを決定事項・TODO・保留事項に整理する手順をまとめます。

ChatGPTで議事録を作る前に、まず分けるもの
ChatGPTは、長い文字起こしを短くまとめるのが得意です。ただし、要約と議事録は同じではありません。
要約は「何が話されたか」を短くするもの。議事録は「何が決まり、次に誰が何をするか」を残すものです。
会議メモや文字起こしを使う前に、まず次の6つを分けておきます。
| 分けるもの | 見るポイント |
|---|---|
| 会議の目的 | 何を決めるための会議だったか |
| 決定事項 | すでに決まったこと。あとで蒸し返さないもの |
| TODO | 誰が、いつまでに、何をするか |
| 保留事項 | まだ決まっていないこと。追加確認が必要なこと |
| 共有したい要点 | 参加していない人にも伝えるべき背景 |
| 共有しない情報 | 個人情報、社外秘、まだ確定していない数字など |
この分け方を先に持っておくと、ChatGPTの出力を確認しやすくなります。逆に、何も決めずに「議事録を作って」と入れると、きれいな文章ではあるけれど、次の行動が見えにくい議事録になりがちです。
ここが大事
議事録で大切なのは、文章のきれいさよりも「次に動けるか」です。ChatGPTには、要約だけでなく決定事項・TODO・確認点まで出してもらいます。
そのまま使えるChatGPT議事録プロンプト例
まずは、会議後に使いやすい基本プロンプトです。文字起こしがある場合も、手書きメモしかない場合も使えます。
以下の会議メモを、社内共有用の議事録に整理してください。
会議の目的:
ここに会議の目的を書く
参加者:
参加者名や部署を書く
出力形式:
- 会議の要点
- 決定事項
- TODO(担当者・期限・次の行動)
- 保留事項
- 確認が必要な点
- 共有前に人間が確認すべき注意点
条件:
- あいまいな内容は断定しない
- 担当者や期限が不明な場合は「未定」と書く
- 会議メモにない内容を補完しない
- 社外秘、個人情報、金額などは慎重に扱う
- 読み手が次に何をすればいいか分かる形にする
会議メモ:
ここに文字起こしやメモを貼る
このプロンプトのポイントは、「議事録を作る」だけでなく、出力形式を先に指定しているところです。
ChatGPTは、指示があいまいでもそれなりに整った文章を出してくれます。ただ、実務で困るのは、あとから「結局、誰が何をするんだっけ」と見返す時間です。最初からTODOや保留事項を分けて出してもらうと、その確認がかなり楽になります。
短い会議メモなら、まずこの形で十分
15分から30分ほどの打ち合わせであれば、上のプロンプトで十分です。長い会議でなければ、最初から細かく分けすぎるより、まずはシンプルな形で出してもらった方が使いやすいです。
ただし、営業会議、制作進行、採用面談、顧客との打ち合わせなど、会議の種類によって必要な項目は変わります。
- 営業会議なら、顧客の課題、提案内容、次回アクション
- 制作進行なら、修正内容、担当者、期限、確認待ち
- 社内定例なら、決定事項、共有事項、次回までの宿題
- 採用面談なら、評価メモ、懸念点、次回対応
使う場面が決まっているなら、プロンプトの「出力形式」にその項目を足しておくと、より現場に近い議事録になります。
文字起こしをそのまま貼る前にやること
文字起こしデータがあると、ついそのままChatGPTに貼りたくなります。気持ちは分かります。会議後は早く終わらせたいですし、長いテキストを読むだけでも疲れます。
ただ、文字起こしをそのまま貼ると、次のような問題が起きやすくなります。
- 雑談や脱線まで拾ってしまう
- 誰の発言か分からない部分を断定してしまう
- 決定事項と未決事項が混ざる
- 社内だけで扱うべき情報まで入れてしまう
- 長すぎて、出力が途中で薄くなる
長い文字起こしは、3回に分けて使う
文字起こしが長い場合は、一度で完璧な議事録にしようとしない方が安定します。おすすめは、次の3回に分ける方法です。
- 抜き出す決定事項、TODO、保留事項だけを抽出する
- 整える社内共有用の議事録フォーマットに直す
- 確認するあいまいな点、担当者不明、期限不明をリスト化する
最初から完成形を求めると、見た目は整っていても中身の確認がしにくくなります。先に材料を抜き出し、次に文章として整える。この順番の方が、会議後の作業では扱いやすいです。
議事録の精度を上げる追加プロンプト
基本プロンプトで議事録を作ったあと、もう一度だけChatGPTに確認してもらうと、抜け漏れに気づきやすくなります。
決定事項だけを確認する
追加プロンプト
上の議事録から、決定事項だけを抜き出してください。
まだ決まっていない内容は、決定事項に入れず「保留事項」に移してください。
会議では「そうしましょう」と言ったように見えても、実際には仮決めだった、ということがあります。決定事項と保留事項を分けるだけで、共有後の認識ズレを減らせます。
TODOを担当者と期限で並べる
追加プロンプト
TODOを表にしてください。
項目は「タスク」「担当者」「期限」「次に必要な確認」「未定の理由」にしてください。
担当者や期限が分からないものは、推測せず「未定」と書いてください。
議事録で一番あとから使うのは、たいていTODOです。きれいな文章より、担当者と期限が見える方が仕事は進みます。
共有前の確認点を出す
追加プロンプト
この議事録をチームに共有する前に、人間が確認すべき点をリストアップしてください。
事実確認、担当者、期限、社外秘、個人情報、未確定情報の観点で見てください。
ChatGPTの出力は便利ですが、そのまま送る前提で使わない方が安全です。会議にない内容を補っていないか、担当者を勝手に決めていないか、共有してよい情報だけになっているかは、人間が最後に見ます。
失敗しやすいChatGPT議事録の使い方
ChatGPTで議事録を作るときに、失敗しやすい使い方も先に知っておくと安心です。
| やりがちな使い方 | 起きやすい問題 | 対策 |
|---|---|---|
| 「議事録を作って」だけで依頼する | 要約文になり、TODOが見えにくい | 出力形式を先に指定する |
| 文字起こしを丸ごと貼る | 雑談や言い直しまで混ざる | 必要な範囲だけ入れる |
| 担当者や期限を推測させる | 会議で決まっていない内容が混ざる | 不明なものは未定と書かせる |
| 出力をそのまま共有する | 誤りや機密情報が残る | 共有前チェックを必ず行う |
とくに注意したいのは、ChatGPTが自然な文章に整えてくれるほど、間違いに気づきにくくなることです。文章が読みやすいことと、会議内容として正しいことは別です。
そのまま共有しない
ChatGPTで作った議事録は、下書きとして使うのが基本です。最終版にする前に、決定事項・担当者・期限・共有範囲を必ず確認します。
会議ツール別の使い方
Zoom、Google Meet、Teamsなどの会議ツールを使っている場合、文字起こしやAI要約が手元に残ることがあります。ただし、ツールごとに使える機能や社内ルールは違います。
ここでは、細かい機能比較ではなく、ChatGPTに渡す前の考え方だけ整理します。
- Zoom: 文字起こしや要約を材料にして、決定事項とTODOを再整理する
- Google Meet: 会議メモ、チャット、共有資料の内容も合わせて確認する
- Teams: トランスクリプトを使う場合は、社内の保存・利用ルールを先に確認する
- 録音データ: まず文字起こしを作り、その後に議事録として整理する
どのツールでも、流れは同じです。記録をそのまま議事録にするのではなく、会議後に必要な情報だけを取り出します。
ChatGPTで議事録を作るのに向いている人、向いていない人
ChatGPTでの議事録作成は便利ですが、すべての会議に向いているわけではありません。
向いている人
- 会議後の共有文を整える時間を減らしたい
- 決定事項やTODOの抜け漏れを減らしたい
- 議事録のフォーマットを毎回そろえたい
- 社内会議や制作進行のメモを整理したい
注意した方がいい人
- 機密性の高い会議内容を扱う
- 発言の正確な逐語録が必要
- 社内でAI利用ルールが決まっていない
- 顧客名や個人情報をそのまま入れたい
迷う場合は、まず個人情報や社外秘を含まない社内メモから試すのが無難です。AIに任せる範囲を小さくして、出力を確認する流れに慣れてから、使う場面を広げていきます。
会議が多い人は、専用ツールも検討する
月に数回の会議であれば、ChatGPTと手元のメモだけでも十分です。毎回、会議の目的、決定事項、TODOを整理するだけでも、議事録作成の負担はかなり軽くなります。
一方で、毎日のように会議があり、録音、文字起こし、要約、共有までをまとめて効率化したい場合は、AI議事録ツールや文字起こしツールを検討してもいいかもしれません。
ただし、最初からツールを探すより、まずは「自分は議事録のどこに時間がかかっているのか」を見た方が選びやすくなります。
- 文字起こしに時間がかかるのか
- 要点整理に時間がかかるのか
- TODOの確認に時間がかかるのか
- 共有文への書き換えに時間がかかるのか
この詰まりどころが分かると、ChatGPTで十分なのか、専用ツールを使うべきなのかも判断しやすくなります。
まとめ:議事録は、要約ではなく次の行動を残すもの
ChatGPTで議事録を作るときは、きれいにまとめることより、会議後に仕事が進む形にすることを意識します。
今日から使うなら、次の流れで十分です。
- 分ける会議の目的、決定事項、TODO、保留事項を先に見る
- 指示するChatGPTに出力形式と条件を渡す
- 確認する担当者、期限、社外秘、未確定情報を人間が見る
文字起こしや会議メモは、議事録の完成品ではなく材料です。ChatGPTには、その材料を並べ直してもらう。最後に、人間が決定事項とTODOを確認する。
この順番にすると、会議後の「まとめなきゃ」が少し軽くなります。
AIで調べた情報を仕事に変える考え方は、こちらの記事でも整理しています。










